グリーンセイバー 秋元秀友さん
- shuact
- 2014年12月5日
- 読了時間: 4分

自然体験イベントの企画・運営、環境調査などを中心に多彩な仕事をされているグリーンセイバーマスターの秋元秀友さん。大河ドラマのセットの植栽を作った経験もあるそうです。
自然を知っている大人はカッコイイ。
子どもたちにそう思ってもらいたい。
自然の楽しみ方を
教えてくれた大人たち。
生まれ育ったのは東京都中野区で、それほど自然が残っていたわけではないのですが、保育園の先生が生きもののことをいろいろ教えてくれたり、ペットボトルの仕掛けで人工池の魚をとる楽しみを教えてくれたりするような、不思議な大人たちがたえず周りにいて、それが影響しているかもしれません。はっきりとフィールドワークを仕事にしたいと思ったのは中学生の時。CWニコルさんの「Tree」という本を読んだときに国立公園のレンジャーの仕事があることを知り、これを目標に高校、専門学校で学びました。
最初は環境調査の会社に就職したのですが、3年ほどでインタープリターのことを知りました。研修とOJTを経験する中で、自分の知っていることを人に伝えるのってすごく楽しいなと感じたんですね。キャンプや小中学生向けの企画を手伝ううちに、もっとやってみたいと思うようになって、OJTを受けた自然教育研究センターに転職。奥多摩にあるキャンプ場が併設されたビジターセンターで、いろいろなキャンプの企画・運営をやりました。
その後、一度は自然から離れてみようと思い、結局離れなかったんですが(笑)、テレビドラマの造園的な背景を作る仕事を3年ぐらいしました。大河ドラマの「篤姫」「天地人」「龍馬伝」などにも関わり、この時代の大名屋敷はこういう様式だからこの植物を使おうとか、幕末の京都の町は荒れて雑草も生えていただろうとか、当たり前にある植物の見え方、見せ方についてすごく考えさせられました。
その仕事をしている間も、知人から頼まれてはキャンプや観察会などをやっていたんですが、震災をきっかけに、改めて自分がやるべき仕事は何かと考えるようになって退職。以来、自然体験イベントの企画と植物調査を中心に、フリーで仕事をしています。
子どもと関わる人には
自然を知っていてほしい。
子ども向け、親子向けの企画が多いのは、自分が小さな頃に経験したように、感性が豊かで影響を受けやすい時期に「体験」してほしいと思うから。子どもだけでなく、子どもと関わる人にも自然の知識や楽しみ方を知っていてほしいと思い、保育士向けの講座などでも植物の話をしています。
例えば、ヨウシュヤマゴボウやオシロイバナのように、身近な植物でも有毒な植物はけっこうありますが、大人が知っていて、後で手を洗わせれば安全に遊ぶことはできるんです。でも正しい知識がないと、危ないからさわらせないとか、ウルシのような遅効性の植物に触って、家に帰ってからかゆくなるような経験をして、自然が嫌いになったりする。だから、子どもに関わる人には、何が危険で、どうすれば安全に楽しめるかを知っていてほしいし、逆に、保育士さんからは子どもとの接し方を学びながら、お互いにいい影響を与えられたらと思っています。
自分が行動をおこせば
自然は変えられる。
ただ、幼稚園、小学校でそういう体験をしても、中学、高校で大部分が自然から離れてしまうんですね。その世代にどう自然と向き合ってもらうかというのは、いつも考えています。小中学生は年の近い大人にあこがれるので、高校生、大学生が主体となって企画すれば、両方にとって魅力的なイベントができるんじゃないかとか。
自分のアクションで自然が変わるという実感があると、自然の見方が変わると思うんですね。それを擬似的にでも体験してもらえたらと考えて作ったのが『ぼくらの里山・いきものゲーム』です。公園でも自分ちの庭でも、自然に対して何か行動を起こせば、虫の動きも変わるし、植物の生え方も変わってくる。実際には数か月、数年後かもしれないけれども、ゲームの中では時間的な経過も疑似体験できるので、実際にフィールドで作業をする人も、まず里山ゲームをやると作業の意味が理解しやすくなると思います。
あるキャンプで子どもが「明日楽しみだね」って言ったんです。明日また新しいことに出会える、それを自分が体験して成長していくことがうれしいという実感を伴う、すごく意味のあることばだと思って、印象に残っています。ひとりでも多くの子どもたちに、自然を通してそういう経験をしてもらえたら嬉しいですね。
※『ぼくらの里山・いきものゲーム』については、コチラの記事もご覧ください。
(2012年12月発行、聚レター123号より)