グリーンセイバー 横井貴広さん
生まれ育った東京都墨田区をベースに、様々な活動をおこなっているグリーンセイバーマスター、横井貴広さん。「すみだすみずみほりおこし隊(愛称:すみほり隊)」の隊長として、楽しく無理せず奮闘中。
楽しく無理せず、地元の役に立てたら嬉しいですね。
祖母が残した盆栽を
きっかけに植物を学ぶ。
植物に興味をもったのは、盆栽をたくさん育てていた祖母が亡くなって、このまま枯らしちゃうのはかわいそうだなと思ったのがきっかけ。最初はテレビで「趣味の園芸」を見たりしていましたが、もっと学びたくなって植物に関する検定を受けたりしました。グリーンセイバーも、たまたまテレビで紹介されているのを見て受験。基礎から植物と環境の関係まで体系的に学べるし、マスターでは自分の考えをまとめなければならないので、知識だけを問う検定とは違うなという印象でした。マスターを取ってから、上野動物園、海の森、子ワク、小石川植物園などで活動しています。
生まれ育った墨田区で
仲間と一緒に活動中。
地元の墨田区では、ボランティアとして花壇のデザインや管理をする「コミュニティーガーデン委員会」に参加。メンバーの推薦で、墨田区の環境について行政と企業と区民が協働の立場で議論する「すみだ環境共創区民会議」の委員になり、現在は委員の有志で「エコンチェルト(環境+協奏曲)」という団体を立ち上げ、「つながり」をコンセプトに、楽しみながら環境に貢献するアイデアを、まずは自らが実践し、色々な団体に呼びかけたりしています。
モットーは「楽しく、無理せず」。春にはマイ食器、マイコップ、飲み物は瓶入り、差し入れも保存容器に入れてと、徹底してゴミを出さない工夫をした「エコ花見」を実施。夏には、「すみだの気温を2℃下げよう!」を合言葉に、雨水や風呂の残り湯を使い打ち水をする「すみだいっしょに打ち水大作戦」を主催しました。6月の「すみだ環境フェア」では一般家庭から出るゴミを使ったワークショップを行い、秋の「すみだまつり」ではブースでのワークショップとともに、イベントのエコ化を呼びかけ、終了後は会場の美化活動を実践しました。
一緒に活動をしている人たちも仕事をしながら参加しているので、参加が負担にならないように、自分らが出来る範囲で楽しく続けられればと思っています。
子どもたちを通して
地元に貢献できたら。
墨田区は関東大震災と東京大空襲で二度も焼け野原になってしまったので自然度が低いと言われます。隅田川は僕が子どもの頃にはもうコンクリートで護岸されていましたし、里山を走りまわった経験もありません。でも、逆にこれからもっとよくなると思うし、子どもたちにも地元の自然の見つけ方、楽しみ方を知ってもらい、育った町を好きになってもらえたらいいな。子ども向けの環境学習プログラムや自然観察会にも参加をしていますが、子どもからは学ぶことも多くて、教えているようで教えられているという感じ。忘れていたことを思い出したり、気付かせられたりします。イマドキの子どもは…とよく言いますが、子どもが興味を持てば湧き出てくる好奇心や探究心はいつの時代も同じだと思います。
今、すみだSST(スクール・サポート・ティーチャー)養成講座を受講していて、資格取得後は地元の小中学生の教育支援者として登録するつもり。ゆくゆくは子どもたちを対象とした墨田区の環境学習や自然観察などのお手伝いができればと思っています。地元の子どもたちに接しサポートすることで、少しでも自分を育ててくれた地元の役に立てれば嬉しいです。
まず参加して、会って
聞いてみるのが一番。
何か活動をしたいと思っているなら、自分で立ち上げるという方法もありますが、とりあえずあるものに参加するのがてっとりばやいし、考えているなら参加してみたほうがいいと思います。グリーンセイバーを受けようと思っている人も、受ける前に、フィールドやイベントで、実際にグリーンセイバーに会って話を聞いてみるといいですよ。興味を持ったものに参加して、グリーンセイバーの人たちがどんなことをしているのか見て、チャンスがあれば、「今年受けようと思うんですけど」と話しかけてみる。フィールドなら試験に出てくるような里山や植物も見られるし、みんな親切だからいろいろ教えてくれますよ。
(近況報告) 墨田区の仲間と「すみだトリビアかるた」を作りました!!! 詳しくは「すみほり隊」で検索、またはFacebookをご覧下さい!”
(本文:2011年12月発行、聚レター129号より)