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グリーンセイバー 生駒秀雄さん


千葉おぐらの森での保全活動のほかに、半農半Xの充実したセカンドライフを送っているグリーンセイバーマスターの生駒秀雄さんにお話を伺いました。

社会とつながりながら

充実したセカンドライフを。

樹木への興味から、

GS検定、保全活動へ。

  現役の時の仕事は工場の環境管理で、メインは大気汚染や廃棄物ですが、敷地内の緑地管理も含まれていたんですね。樹木の種類や本数を行政に届け出るんです。海沿いの工場地帯だったので、潮風に強いニセアカシアとかマツとかが多かったかな。樹木について特に勉強したことはなかったんですが、石川県の出身で、子どもの頃に山へキノコを採りにいったり、ガンピというお札の原料になる木を採ってきて小遣い稼ぎをしたりしていましたから、昔から興味はあったんだと思います。

  定年前から退職後は何かボランティアみたいなことをやろうと思っていました。自分の好きなもの、継続できそうなものは何かと考えたら、やっぱり植物や樹木に関することかなと思い、たまたま目にとまったグリーンセイバー検定にチャレンジ。退職してから多摩動物公園の活動などに参加しましたが、千葉に住んでいるから遠くてね。おぐらの森ができたときに近いから手伝ってといわれて、それからずっとおぐらです。

  おぐらの森は平坦な雑木林で、だから初心者でも安全に活動できるんだけど、斜面や谷筋、せせらぎといった変化がないから、一般の人からすると、1回来てふ~ん、こういうところなんだ、で終わっちゃう可能性があるんですね。保全活動に参加してくれるパラッツォの社員さんもササを刈ったりするだけじゃ面白くないと思うから、竹や木を使って細工物をするとか、子ども向けの遊び場をつくるとか、どうすればおぐらの森をもっと楽しめるか、自然を体験する場所として活用できるかを考えながら活動しています。

野菜も樹木の実生も、

育っていく過程が楽しい。

  4年ほど前から自宅近くの畑を借りて、野菜作りも始めたんですよ。夏はスイカ、ナス、エダマメ、キュウリ、秋はカブ、サツマイモ、ラッカセイ、サトイモなど、年間20種類くらい作っているので、野菜はあまり買わなくなりました。

  畑と同じで、樹木の種をとって植えて苗木ほどになるまで育てるのも楽しみのひとつです。生えている木から、熟すタイミングを見て種を手に入れて、自分で発芽させるんです。種類によって発芽のさせ方も違うし、うまくいくもの、いかないもの、いろいろですが、きれいな花が咲いたり実がなったり、変化の過程を写真で記録したりしています。うちはマンションなんですが、そんなのがベランダにいっぱいあって、女房に洗濯物が干せないって怒られています(笑)

半農半Xの暮らしで

精神的にも充実。

  旅行に行くときも、旅先にどんな木があるのか気になって。最近、桐の木をあまり見ないなと思っていたら、パリに行ったときに桐の花が咲いていて驚きました。桜を見に行くのも好きで、友だちと日本の三大桜を4年かけて見遂げたんです。早朝の岐阜の淡墨桜は幻想的でよかったですね。

  春と夏はもっぱら畑仕事。朝、7時か8時ごろ畑に行くと、春は竹やぶから鶯の鳴き声が聞こえて、あぁ出迎えてくれたのかって感じで気持ちいいし、野菜のできがよくて、友だちや近所の人にあげて喜ばれたりするのも嬉しいんだけど、それだけだと社会とのつながりがあまり感じられなくて。それで、秋から次の春までは、週3日、環境関係の財団で仕事をしています。仕事やボランティアをしていると、社会に寄与している、必要とされているという意識がもてるので、精神的にもバランスがいいんです。畑とボランティアと仕事、いわゆる半農半Xという感じ。そういう意味では今、いい感じで充実してますね。

(2014年12月発行、聚レター131号より)

グリーンセイバーとは 

  特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会が主催する、植物や生態系に関する体系的な知識を問う検定制度、「グリーンセイバー資格検定」の合格者は、グリーンセイバーと呼ばれます。

 1998年の創設以来、3500人以上のグリーンセイバーが誕生し、自然環境に関する知識と意欲をもった人材として、里山保全、環境教育、自然体験プログラムの企画・運営など、様々な分野で活躍中です。

 グリーンセイバーはベイシック、アドバンス、マスターの3ステップで構成され、マスター取得者は、環境省・文部科学省・農林水産省が指定する環境教育指導者「人材認定」の対象となっています。

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